ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「何があったかは知らないけど…それならそれで、ちゃんと謝った方がいいんじゃないの?」
「そうだけど…口も聞いてくれなくて。よっぽど怒ったんだと思う」
「まぁいきなりトレーで叩かれたら怒るのも分かるけど…それでも謝らないのはダメだよ」
「ちゃんと謝って、言いたいことは言葉で言って…じゃなきゃ、二度と戻らないんだから」
「…うん、」
『二度と戻らない』、それは彼が私に笑顔を向けてくれた時間も。
…それは、いやだ。
ちゃぷ、とお湯を鳴らして見上げた空は月が雲に隠れて暗い。
「まったく、折角温泉旅行まできて何悩んでるんだか…あ、気分転換に湯上りに散歩行ってきたら?」
「散歩?」
「うん。旅館の近くのコンビニまで」
「…要するに何か買ってきてほしいってこと」
「正解!」
仕方ないなぁ、そう思いながらもえへへと笑う雛ちゃんの笑みにつられ笑ってしまう。