好きな人のお母様に恋心がバレました


映画『君の声』
謎の声のする方へと青年が進むとそこには巨大迷路がーー!?
迷路を進むにつれて加速していく謎とスリル!
複雑な迷路を彼は抜け出せるのか!?謎の声の正体はーーー!?
そして青年よ、なぜ来た道をそのまま戻らなかったのかーー!!



「いや本当だよ!」



ポスターの謳い文句を見て思わず突っ込む。



「………いやでも、もしかしたら戻らなかったのにも壮大な伏線があるとかなの!?そうなの!?」



ショッピングモールの映画館の前で、私はひとり悶々としていた。
こんな映画があったなんて知らなかった。
題名からして恋愛映画だと思ってたら、SFなのかミステリーなのかもよく分からない。



「いやむしろ気になるわ、普通に観たいわ」



目的も忘れて、迷路に想いを馳せていると、後ろから待ちに待った声が、した。



「あれ?
もしかして宮戸さんじゃない?」



そう、それこそまさしくーー



「君(先輩)の声……」



「え?」



「ーーじゃなくって!
朝霞先輩っ!き、奇遇デス…ネ」



目は泳いだものの、なんとか平静を装ってにこりと微笑む。
先輩もふわっと笑って、奇遇だね、とおっしゃった。
まさか本当に会えるなんて!!いや、会いに来たようなものだけども!



「……眼鏡姿、初めて見ました……」



先輩を見上げて、一番最初に思ったことがポロリと口からこぼれる。

< 35 / 99 >

この作品をシェア

pagetop