好きな人のお母様に恋心がバレました
あわあわと謝りながら
なんだか泣いてしまいそうになる。
慣れないことはやるもんじゃない。きっとこれもまた黒歴史の1ページになる。
「……宮戸さんって、そんな顔もするんだね」
「え、ど、どんな顔してました!?」
ほとんど涙目のまま尋ね返すと、
先輩が笑う。
「別に変な顔じゃないよ。
でもちょっと、得した気分」
「……お得な顔……??」
「そうそう、なかなかお得な顔」
それは一体何だと問う前に先輩は私を促した。
「いいよ、一緒に観ようか。
そろそろ始まっちゃうし、早く受付しちゃおう」
歩き出した先輩に、私は慌ててついて行きながら、
なんだかこれは上手くいったようだ、と少しだけ安心したのだった。
それからは、どこの席にする?だとか
ポップコーンを買ってもらったりだとか
なんだかカップルみたいな会話に頭がのぼせてしまいそうだった。
ポップコーンを受け取る時に触れた右手の感触を忘れないようにしている自分が、少し気持ち悪かった。