好きな人のお母様に恋心がバレました
まっすぐに言い切ると、女豹は笑った。
それも、いつもからは考えられないほど豪快に。
「なんか、若いわね。いいんじゃない?一生懸命で」
「こっちも必死なので」
「……そう。
ま、そのうち朝霞さんのこと食べちゃってたらごめんねーぇ」
「食べさせませんよ!!だったら先に私が食べます!」
「あら、言うじゃないの。せいぜい頑張りなさい、子ブタちゃん」
「はい!人間じゃないもの同士頑張りましょう!」
そうして女豹と子ブタはニヤリと笑った。
女豹が去ると、このテーブルには幸か不幸か朝霞先輩が一人で伸びていることになる。
毎回飲み会では、時間が経つと席もあやふやになっていくのでこういうことも珍しくはない。
「……お隣、失礼しますね」
そっと先輩の左隣に座る。
座敷といっても掘りごたつのようになってるので、座る、というよりは腰掛けるといったほうが正しいのかもしれない。
私の声に反応するように、先輩は伏せていた顔を持ち上げる。
ほんのりと色付いた目元と頬から、かなり酔っていることがわかる。
私の顔を認めると、少しぼうっとしたあとで、先輩はふにゃりと笑った。
「あれえ?宮戸さんが見える」
まるでさっきの事がなかったように話せるのは有り難い。
お酒の力様様である。
「すごい酔ってますね。烏龍茶、飲みますか」
近くにあった烏龍茶の入ったピッチャーを引き寄せて、空いたグラスに注いでいく。
するとそれをガブガブと飲み干して、先輩はほっと一息ついた。