好きな人のお母様に恋心がバレました
「……女豹とどんな話、されてたんですか」
女豹がやけにアッサリと引いてくれたことと、『当て馬役なんてまっぴらごめんだ』と言っていたこと。
それが気になって尋ねた。
「んー、ま、遠回しに俺はご期待には添えませんってことを話してた」
烏龍茶のおかげか、はたまた女豹に言いたいことを言えたからか、
少しだけすっきりした表情で朝霞先輩は言った。
「……宮戸さんは?塩谷と何話してたの」
ぴたりと視線を合わせて、
彼は尋問でもする警察官のように鋭く問う。
ーー私が塩谷さんの隣に座って話してたこと、先輩は知ってたのか。
「塩谷さんの昔のモテ自慢を聞いてました」
「ああ……それは災難」
「あはは」
そして、少しの沈黙が落ちる。
カラン、と朝霞先輩の持つグラスの氷が音を立てた。
「………さっき、ごめんね」
言われて、ふっと息が詰まった。
ーー違うのだ。謝ってほしいわけじゃ、ない。
私が聞きたいのはもっと別のこと。
「………なんで、あんなことを仰ったのか、聞いてもいいですか」
窺うように見上げると、先輩は苦笑した。
「……はは、ヤだよ。幻滅されたくない」
まるで叱られたような子供のような表情をする。
触れて欲しくない部分に触れられたような、そんな、顔。