好きな人のお母様に恋心がバレました
「ーー俺は、君に知ってもらうほど、魅力ある人間じゃないよ」
ぽつり、と先輩が言う。
「そんなの、私が決めます」
「ふは、……それもそうか」
「はい」
そうして彼は烏龍茶ではなく、その隣にあったコークハイを煽る。
ほんのり色づく目元が、胡乱げで、ゆったりと私に視線が動いた。
じっと見つめられれば、それだけで私は胸が苦しくて泣いてしまいそうになる。
好きなんだ、この人が、たまらなく好き。
「……じゃあ、まず汚い部分そのいち。俺は嫉妬深いよ」
「………恋愛の話ですか?」
「恋愛はーーどうだろうね。でも、仕事は顕著だよ。同期には絶対負けたくないし、能力高い人には先輩後輩関係なく嫉妬するし。
……こういうの、格好悪いでしょ。ーーねえ、もう言いたくないな、やめていい?」
「えっ、もうですか。駄目ですっ」
せっかく面白くなってきたとこだ。
いつもソツなく作業をこなす朝霞先輩が、仕事に対して泥くさい面を持ってたなんて意外だった。
抗議の声を上げると先輩はため息を吐いた。
「……はあ。じゃ、二つ目ね。
んー、そうだな……。女の子はニガテだけど、性欲は強いと思う」
「………ふ、ふわぁ」
イキナリのど直球に完全にビビって変な声が出た。
なんだ。先輩は一体どこまで教えてくれる気なんだ。
「なにその反応。傷付くからやめてね、汚いとこ見たいんでしょ」
「うっ、は、はい!知りたいです大変興味深いです!!」
「大変興味深いのもどうなのそれ……」