虹色の流星
 病院に来てから、何時間が経っただろう…
 泣きつかれたあたしは、健が眠るベットで寝ていた。
 あたしの周りには、心配そうな健のお母さんがいた。
「美月ちゃん。健の部屋を片付けてたら、美月ちゃん宛の手紙が見つかったんだけど…よかったら、健のためにも読んでくれないかな?」
 あたしは、再び一人になった病室で、手紙を読みだした。



 Dear 前原美月
 
 美月!今日のデート楽しかったね!
 初めてキスしたときの、美月の顔が忘れられないよw
 それと、初めて美月の過去について教えてくれたね。
 あんなつらい過去があるなんて知らなかったよ…
 これからは、美月の辛い過去も、全部受け止めるから…
 だから、これからはずーっと一緒にいよ?
 美月が嫌がっても、しつこく付きまとうからw
 それと、もうすぐ誕生日なんだってね。
 俺、プレゼント何にするか迷ったんだけど…
 美月が好きそうなものを頑張って探すから…
 だから、楽しみにしててよw
 これからも、ずーっとずーっと死ぬまで一緒にいてくれ…
 生まれてから、一度も行ったことないけど、美月のために言うよ…

 愛してる…

 手紙でも、やっぱ恥ずかしいなw
 ま、とりあえずこれからもよろしく!
 
 From 南戸健

 

 枯れ果てたはずの涙が、また溢れ出してきた…
 誰か、健を生き返らせて…
 健のためなら、何でもするから… 
 だから、だから…
 あたし達を助けてよ…
 神様はひどいね…
 ようやく、過去の事を忘れて幸せになれるって思ってたのに…
 誰も助けてくれない…
 神に見放されたあたしは、何を頼りに生きていけばいいの?
 これから、何を希望に生きていけばいいの…
 もう、健のもとへ行きたい…
 死んで、健のところへ…
 天国で、幸せな顔をしている健のところへ…
 誰か連れて行って…
 これくらいしたっていいじゃん…
 お願い…
 あたしを見放さないで…
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