繋いだ手を
「寝られなくても、消灯後は部屋を出ない決まりでしょ? 早く部屋に戻りなさい」
ぴしゃりと上から目線で言ったけど、恐怖から解放された胸の疼きは大きくなるばかり。このままじゃ、抑えられなくなりそう。
でも、坂木君はひとりなの?
誰かと会っていたんじゃないの?
ぽつんぽつんと浮かんできた疑問が、胸の疼きを刺激する。
坂木君の座っていたソファに、誰かが隠れているんじゃないか。通りがかった私の注意を逸らすために、坂木君が出てきたのかもしれない。
胸が苦しい。
本当は、そんなことは考えたくない。
できれば誰かと一緒に居たなんて、思いたくもない。
坂木君からソファへと、ゆっくりと視線を移していく。
誰もいませんように……
祈る気持ちは、暗闇に対する恐怖とは明らかに違ってる。
どうして私は、こんなことを祈ってしまうんだろう。