繋いだ手を

口を尖らせていた坂木君が、にこっと笑う。



「よし、俺がついて行ってあげよう」



本当に?
口走りそうになって、顔を伏せた。



だめだめ、
そんなこと言っちゃいけない。



でも、半分は本心。
暗いところは大の苦手。人一倍怖がりだし、未だに部屋を真っ暗にしては寝られない。



だから、不覚にもついて来てくれるなら嬉しいと思ってしまった。



「ほら、行こう」



坂木君が、私の腕を掴んだ。
薄暗い空間に不釣り合いな穏やかな笑顔。



ぽうっと胸に火が灯る。



颯爽と歩き出す彼の腕を振りほどくこともできず、私は引きずられるまま。



本気で解こうと思えば解けたけど、私は解こうとしなかった。
彼の手が温かかったから。



いつの間にか、腕を掴んでいた彼の手が私の手と重なっている。華奢な体から想像していたのとは違う、硬くて大きな感触。



包み込まれていることが心地よくて、つい身を委ねてしまってる。


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