青春を取り戻せ!
渾身の力を込め……。

広い交差点内で車が蛇行した。

「何してんだ!」

歯ソーノーローの怒声と同時に、脇腹に鋭い痛みが走った。

一瞬、息の詰まった僕の脇腹を、そして肩を、腕を、二人の刑事は容赦なく殴った。

そして上腕を両側から掴まれて取り押さえられた。

運転をしている警官は、首を擦り、ルームミラーから僕を睨み、
「馬鹿やろう!」
と怒鳴った。

交差点を渡り切った。

「人殺しー!」

「人殺しはおまえじゃないか」

歯ソーノーローは抑揚もつけずに言った。

「傷害罪も付けなくちゃな。ハハ……」

交差点内では猛獣の唸り声のように、車の爆音がはじまっていた。

「何でもいいけど、車を戻してくれ!」

僕の哀願を黙殺し、車は左にカーブを切って滑らかに進んだ。

見えなくなった交差点を尚も見つめていると、

キィキー!ブップーッ!キィーーー!プップッー!

と、後方で急ブレーキとクラクションの音が何重にも聞こえた。

緊張のため、体中の筋肉が硬直した。
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