青春を取り戻せ!
「その車は、私のです」
一瞬、僕のまわりに存在していた冷気が場内まで波及し、凍てついたような緊張に覆われた。
「…でも、午後8時半には板倉さんのお宅を出ました」
「その8時半というのは確実ですか?」
「はい。家まで約30分かかりますから、先程お話ししたドラマが9時から始まりますので、それに間に合うように出たと記憶しております」
「ホホーッ!…証人の都合の良い記憶とは、まったく違う記憶をしている人もいるんですがね?」
「異議あり!」
検事が大声を出して立ち上がった。
「弁護人は証人が曖昧なことを言っているように印象づけようとしています。実際、証人の言った時間にその車が被告の家を発つところを見た隣家の夫婦もおりますし、証人の住居の駐車場に9時10分にアウディが止めてあったのを見ている証人も用意しており…………」
…えっ!? さっきから何言ってんだ?未美は10時過ぎまで僕の家にいたじゃないか!!だから車も有ったということじゃないか!?
…待てよ!
…そうか!?その時は気にもとめなかったが、彼女はいつも庭まで車を入れてたが、その日は路上だった。
…つまり初めから移動する目的で、発進音を僕に聞かれないよう路上駐車しておいたのか?
…でも待てよ!?
…それには…第三者が必要だ?……
一瞬、僕のまわりに存在していた冷気が場内まで波及し、凍てついたような緊張に覆われた。
「…でも、午後8時半には板倉さんのお宅を出ました」
「その8時半というのは確実ですか?」
「はい。家まで約30分かかりますから、先程お話ししたドラマが9時から始まりますので、それに間に合うように出たと記憶しております」
「ホホーッ!…証人の都合の良い記憶とは、まったく違う記憶をしている人もいるんですがね?」
「異議あり!」
検事が大声を出して立ち上がった。
「弁護人は証人が曖昧なことを言っているように印象づけようとしています。実際、証人の言った時間にその車が被告の家を発つところを見た隣家の夫婦もおりますし、証人の住居の駐車場に9時10分にアウディが止めてあったのを見ている証人も用意しており…………」
…えっ!? さっきから何言ってんだ?未美は10時過ぎまで僕の家にいたじゃないか!!だから車も有ったということじゃないか!?
…待てよ!
…そうか!?その時は気にもとめなかったが、彼女はいつも庭まで車を入れてたが、その日は路上だった。
…つまり初めから移動する目的で、発進音を僕に聞かれないよう路上駐車しておいたのか?
…でも待てよ!?
…それには…第三者が必要だ?……