青春を取り戻せ!
「それとあの女は許せない。証言をくつがえしおって、偽証罪で訴えるつもりだ!」
それに対して僕は何と……?天気のことか……?あるいは音痴になった日付を聞いたのかも……?
「まぁ今日は疲れたでしょうから、ゆっくり休んでください」
彼は何を言っても今は無駄だと解釈したのか、一回会釈すると、踵(きびす)を返した。
僕はプラスチックの窓を叩いた。
「待ってください!!」
彼が振り返った。
「みっ未美が結婚してたことを、事前に知ってたんですか?」
「あぁ…知ってたよ。裁判の3日前に」
「何故、そのとき教えてくれなかったんですか?」
「君は私の捜査に協力的ではなかった。…確かその日も面会を求めたのに拒否したではないですか!」
僕は目線を下げ、つぶやいた。
「エンゲージリングは何だったんだ?」
「…指輪のことは調べさせてもらったよ。君が買ったという宝石店の店員の証言からもその指輪の裏付けは取れたが、
……それを持っていたのは未美さんではなく、殺された幸子さんだった」
「えっ!?まさか!」
僕は思わず大声を出していた。
「…でも、指のサイズが合わなかったんじゃないですか?」