青春を取り戻せ!
「残念ながら、ほぼ合ってたよ。…幸子さんのハンドバックから発見された指輪が、君たちの関係を裏付ける重要証拠として出されたのを、聞いてなかったのかね?」
…そんなバカな!?
頭を抱えた。
そして、『指輪に白木未美の頭文字を、“M・S”と刻んだネームの解釈は?』という質問を飲み込んでいた。
突然、おかしくなった。下を向いたまま笑った。
…自分の馬鹿さ加減にあきれたのだ。
…ネームは“M・S”と日付しか入れなかった。白木未美と丸山幸子は順序の違いはあるが、奇しくも同じ頭文字だったのだ。
次には、僕の様子を見て、口と目をアングリと開けている弁護士に、自分でも驚くほど冷静な声で尋ねた。
「現場が、僕の家のリビィングというのは確実なのですか?」
「あぁ、被害者はほぼ即死だったが、倒れた角度と飛散した血液、その凝固ぐあいなどを考えると間違いないだろう」
僕は眼を伏せた。
「わかりました。…それで、未美の偽証罪は立証できるのですか?」
「彼女は証言に先立って宣誓をしている。これは刑法第169条の偽証罪に間違いなく該当する」
「ですが、彼女の証言が嘘だという証拠が必要でしょう?」
「それは勿論だよ。客観的事実を裏付ける証拠で反論しなければならない」
「つまり僕の証言だけでは駄目ということでしょう」
…そんなバカな!?
頭を抱えた。
そして、『指輪に白木未美の頭文字を、“M・S”と刻んだネームの解釈は?』という質問を飲み込んでいた。
突然、おかしくなった。下を向いたまま笑った。
…自分の馬鹿さ加減にあきれたのだ。
…ネームは“M・S”と日付しか入れなかった。白木未美と丸山幸子は順序の違いはあるが、奇しくも同じ頭文字だったのだ。
次には、僕の様子を見て、口と目をアングリと開けている弁護士に、自分でも驚くほど冷静な声で尋ねた。
「現場が、僕の家のリビィングというのは確実なのですか?」
「あぁ、被害者はほぼ即死だったが、倒れた角度と飛散した血液、その凝固ぐあいなどを考えると間違いないだろう」
僕は眼を伏せた。
「わかりました。…それで、未美の偽証罪は立証できるのですか?」
「彼女は証言に先立って宣誓をしている。これは刑法第169条の偽証罪に間違いなく該当する」
「ですが、彼女の証言が嘘だという証拠が必要でしょう?」
「それは勿論だよ。客観的事実を裏付ける証拠で反論しなければならない」
「つまり僕の証言だけでは駄目ということでしょう」