憎しみという名の恋 ~光と影~
「ッ!?//」
その予想以上の近さに、心臓が飛び跳ねた。
「どうした?」
ビクッと体を跳ね上がらせた私に気づき、影山くんがさらに顔を近づけてくる。
「ッ///」
その事態にただただ慌てるしかない私を不思議そうに見た彼は、心配そうに眉を寄せる。
「顔、赤いぞ?」
それは、あなたのせいです。
なんて言えるハズもなくて、ただオロオロすることしかできない。
すると影山くんは、私の前髪をあげて、おでこに手を当てようとした。
「ッ!!!!」
それを反射的に振り払ってしまった。
「あっ、悪りぃ。」
気まずい…。
「あ、す、すいません!私…」
「も、もう暗いし、帰るか。」
私の言葉を遮るように、影山くんは、そう言って席を立った。
気を遣ってくれたのかな?
「ふふっ」
影山くんの優しさが嬉しくて、思わず笑ってしまった。
「何笑ってんだよ。」
「いえ、別に。…ふっ。」
「いいから、帰るぞ!」
「はい!」
私はまだ込み上げてくる笑いを堪えながら、図書室のドアを開ける影山くんの後を付いていった。