桃色初恋、甘口キス
「すごく、緊張する……」
授業が終わって、また次の授業が始まって……。
時間が進むにつれ、愛ちゃんの緊張が増していくのがわかる。

愛ちゃんの席はあたしの2こ前。
授業を受けながらも、そんな愛ちゃんが気になって、後ろから様子を伺う。

「なぁ青葉」

隣の黄原が、こそこそと話しかけて来た。
授業中まで何だってんだ、全く。

「……なに?」

ノートをとりながら、一応返事をする。

「お前と桃瀬さん。
今日2人揃っておかしくないか……?」

う~ん……。
能天気で鈍そうな黄原にまでそう見えるって、よっぽどかも。
愛ちゃんの緊張ぶりと、あたしのそわそわ感。
他のクラスメイトにも、何かあったと思われてるのかな。

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