桃色初恋、甘口キス
小さくて可愛い愛ちゃんを見ていると、守ってあげたくなる。
女子のあたしでも思うくらいだから、そう思っている男子は沢山いるんだろう。

可愛くて性格の良い愛ちゃんはモテる。

けど、控えめな彼女は男子と話すことすら苦手だ。
彼氏がいたこともないし、男友達もあたしを通じて話すようになった、クラスメイトの黄原一人だけ。

「おはよう、うみちゃん。
あのね、あの……。
後で相談が、あるんだけど……」

あたしの前で遠慮がちに、困ったような上目遣いで。
愛ちゃんが、小さく言葉を紡いだ。

「おっけ、相談乗るよ!
それは良いとして、その顔!

むやみにしないこと! わかった?」

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