桃色初恋、甘口キス
「こんなに気にかけてるのに!
どうしてお前はそんな態度しか取れないんだ!」

黄原も立ち上がり、あたし達の言い合いは激しさを増した。

「うるさい黄原!
あんたに気にかけてもらうことはない!」

「全く可愛くない女!」

「可愛くなくて結構だ!」

言い切って睨みつけると、黄原はぐっと押し黙ってしまった。

「うるさいのはお前達だぞー。
授業中だって分かってるかー?」

「あ……」

先生の呆れを含んだ声に、冷静になる。

クラス中の視線を、あたしと黄原が集めていた。
愛ちゃんも心配そうにこちらを見上げていた。

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