桃色初恋、甘口キス
公園のベンチに腰をかける。

黄原はビニール袋から紅茶を取り出し、飲み始めた。
あたしは自販機で、ココアを奢ってもらった。
止める前に自販機に小銭を入れてくれたので、ありがたくいただくことにした。
勿論お礼は言った。

「朝から男子憧れの可愛い愛ちゃんをみたあたしが、羨ましいだろ」

自慢げに、あたしは黄原を見やった。

「桃瀬さんは可愛いな、とは思うけど、それだけかな。
憧れないし、タイプじゃない」

ふぅん、愛ちゃんがタイプがじゃない男子もいるんだ。
男子は皆、ああいう子がタイプだと思ってた。

興味本位で訪ねてみる。

「じゃあ、あんたのタイプって、どんなん?」
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