桃色初恋、甘口キス
「お前は?」

「あたしが聞いてるんだけど」

「お前が言ったら教えてやるよ」

何で交換条件なんだ。

「う~ん。優しい人……?」

「ふわっとしてんなぁ」

ははは、と、黄原が笑う。
いいじゃないか、別に。

「放っとけ。
ほら、あたし言ったんだから、あんたも」

「……友達想いで、不器用な人」

変な黄原は好きなタイプも変だな。

「不器用より、器用のがいいだろ?
変なの」

「いいんだよ」

言いながら、黄原は袋からポテトチップを出した。
袋を開けて、こちらに向ける。

「ほら、青葉も食え」

「え? あ、うん」

二人でお菓子とジュースを口に運びながら、暫くのんびり過ごした。


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