右隣の彼
横で驚いている美由さんに私は思いきって聞いてみた。

「岸田君から好きだって言われたんだけど、私は岸田君から
彼女がいるって聞かされてました。写真に写ってたのは美由さんでした。」
駿さんは何も知らなかったようで目を見開いて驚いていた。
美由さんは多分その事を知っていたのだろう、駿さんにバレた事で
しまった~~って顔で駿さんの目を思い切り逸らしていた。
「でも実際はお兄さんの奥さんで彼女でもなんでもなくて、
私と話すきっかけがほしくて嘘をついたって・・・・」
駿さんは仕事も忘れ、大きな溜息をつくと後ろを向いて
グラスの水を一気に飲み干すとまた回れ右をして
平常心をキープしていた。
「彼女じゃなかった事にびっくりはしたけどショックはなかったんです。
 だけど・・・いきなり告白されてどうしたらいいのかわからなかったんです。
 意識した事もあまりなかったし・・・」
一気に話をすると目の前のスプモーニをグイッと飲んだ。
かわいいカクテルなのにビールでも飲むような・・・女子力のない飲み方だった。
でもそう言う飲み方が今の私の心情に合ってたからだ。

悩んでるのは告白された事じゃないって事を・・・・
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