右隣の彼

ど・・どういうことよ。
なんで私の彼氏が岸田君だって事知ってるのよ!
そう叫びたくなったがすぐにその答えが出てうな垂れた。

どうせ葵さんが岸田君の名前を出したんだ。
大方、あそこは兄弟そろってイケメンで~って話が出て
駿さんの名前がでて、「あっ!その人俺の大学時代の先輩で~~」
って話しが盛り上がって面白半分でここに来たと。

渋々店に入ると駿さんはいつもの笑顔で迎え入れてくれた。
はっきり言ってその笑顔が今は怖い。
「ほら座れよ」
颯太さんがせかすように自分の座ってる椅子を指さした。
「・・・はい」
岸田君に接待よ!仕事よって偉そうなこと言っておきながらお兄さんのお店って…
だけどいつまでも突っ立っているわけにもいかず
なるべく駿さんと視線を合わさないように椅子にこしかけたのだが
落ち着かない。
ここ凄く落ち着く店だったはずじゃないの?
意地悪されているようにしか思えなくてすぐにでも岸田君の家に行きたいそう思ってしまった。

「一美さん、お久しぶり。しげは元気?」
温かいおしぼりを差し出しながら駿さんが笑顔で話しかける。
「は・・はい…お・おかげさまで、み・・美由さんはお元気ですか?」
「すごく元気で、一美さんに凄く会いたがってたよ」
かみかみ星人か?お前はと言いたくなるほどおかしげな私のしぇべりにも
笑顔を崩さず話す駿さん、さすがプロ。でも腹の中では何を考えているんだろう~
この浮気女!滋にはこんな女無理だ!とか思われてるのかもしれない。

最悪なことしか考えられなくなっていたが
ほら座れと言ってから一言も話をしなかった颯太さんが
急に豪快に笑いだした。
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