本当の幸せを君に…
「お待たせしてすいません…」
「いや、大丈夫だよ。さぁ乗って?」
「はい…お願いします」

「・・・」
「・・・」
やっぱり沈黙の車内
「七瀬?」
「はい?」
「なんで目…真っ赤だったの?」
「・・・」
「言いたくないならいいんだ…。」
「・・・大毅君と別れたんです…まぁ一方的に電話を切ったのは私なんですけど、あのまま声聞いてると、きっと気持ちが揺らいでしまうから…でも最後に「幸せになってね」って言えたんです…さすがに涙が止まらなくて「幸せだったよ」って「ありがとう」っては言えなかったけど一番言いたかった「幸せになって」っていうのが言えたから今は満足なんです」

全て私の想い。
どうせ先生にはバレてるんでしょ?だってら素直にいいますよ。
隠すことでもないから…。
大毅君を愛していたのも本当。幸せだった日々も本当。

そのことに嘘なんて一つもないことだから…。
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