絶対に好きじゃナイ!
安達医院に着くと、待合室を抜けて小さな応接室のような部屋に通された。
ちょうどお昼休みの時間帯なのか、看護師さんがお茶を出してくれる。
低いソファに社長と並んで腰掛けて、安達医院長がやってくるのを少しだけ待った。
「社長」
「ん?」
「ここの医院長さんって、特別なお客様なんですか? はじめの打ち合わせで社長が同行するのって、珍しいですよね……?」
「そうか? soirのときは梅村とふたりで行ったけどな」
そりゃ、soirはそうかもしれないけど……
紫枝さんが言ってたこともあるし、やっぱり気になる。
素知らぬ顔をする社長の横顔をじっと眺めていたら、社長がふとこちらを見て諦めたように笑った。
「ちょっと気になっただけだ。職権乱用とか言うなよ、部下を守るのも上司の仕事だろ」
気になったって、やっぱりあのセクハラするとかしないとかの話かな。
まあでも、初対面でしかも隣に社長がいれば安心だよね。
この人、普段は隠してるけどその気になったときは相当目つき悪いもん。