絶対に好きじゃナイ!
「すみません、お待たせしました」
しばらくしてから、白衣を着た男性が部屋に入って来た。
この人が安達医院長だよね。
思っていたより若い気がする。
社長に続いて立ち上がって、軽くあいさつを交わす。
少しお話をして、社長はどうやら隣に座ってるだけみたいだからわたしから切り出すことにした。
「えっと、今回は医院改装ということでしたよね」
「はい、そうなんですよ。この建物は祖父の代からのものなので、もうだいぶ古くて。知り合いに聞いたら、西城社長の建築デザイン事務所が評判いいという話だったので」
「そうだったんですか。ありがとうございます」
なんだ、結構感じのいい人じゃん。
ちゃんとわたしのほうを見て話してくれるし、雰囲気も柔らかくてにこにこしてるもん。
「改装にあたって何かこだわりや、強いご希望などはありますか?」
社長が静かな声で言った。
仕事をする社長の、とても真摯な声。