絶対に好きじゃナイ!
「ん、わかった。じゃあとりあえず虎鉄に連絡するから……」
「だ、ダメ!」
わたしは反射的にそう叫んで要さんの腕に縋りついた。
「ダメなんです、わたし、今社長とは……!」
会えない。会いたくない。
必死に首を振るわたしを見て、要さんが困ったように眉を下げる。
「んー、だけど虎鉄が梨子ちゃんのこと、そんな格好のまま出歩かせるなんてあるわけないと思うんだけど。あいつは梨子ちゃんが部屋を出て来たこと知ってる?」
「そ、それは……」
「とりあえず、俺が保護したことだけ伝えていい? メールにするからさ。そうしないとあいつ、心配しすぎてぶっ倒れると思うよ」
待ってろって言われたのに、黙って出て来ちゃったから。
確かにそのことは、少し申し訳ないと思っていて……
わたしは要さんの言葉に渋々頷いた。
掴んでいた腕をゆっくりと離すと、要さんが携帯を取り出して社長にメールを打つ。
「よし、これで大丈夫。梨子ちゃんのことは俺が責任持って送り届けるって言っといたから」
「……すみません」
「ははは、いいのいいの」
そう言うと羽織っていたジャケットを脱いで、わたしの肩にかけてくれた。