絶対に好きじゃナイ!

「ちょっと変だけど、我慢してね。その格好じゃ寒いだろ?」


それにそのまま連れ回したら俺が虎鉄に怒られるって、笑いながら言う。

この人って、いつ会っても緊張感ってものがゼロだと思う。


「ありがとうございます……」

「うん、いいよ。どうせ虎鉄に部屋に連れ込まれて、襲われたから逃げて来たんだろ?」

「お、襲われたって言うか……」


襲われたわけじゃない。
あの時までは、わたしも合意だった。

だけど逃げて来たのは本当だから否定しにくいというかなんと言うか……


「家まで送るから、案内してくれる?」


そう言った要さんに頷いて、ふたりで並んで歩き出す。


「それで、あの後何がどうなって今に至るの? あれがはじめてのキスだったんでしょ? もう虎鉄に食われちゃったの?」

「くっ……!?」

く、食われたって……

「ああ、その反応はまだなんだ。虎鉄のやつ、意外と慎重だな」


せっかく俺が煽ってあげたのに、なんて。
要さんはへらへらと笑いながら言うけど、わたしの頬はきっと赤くなってると思う。

まわりが暗くてよかった。

ついさっきあんなことがあったばかりだから、知り合いにそんなこと言われるとすごくすごく恥ずかしい。
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