絶対に好きじゃナイ!
「もしダメだったら……、社長と今より離れなきゃいけなくなったら、わたし、どうしたらいいかわからない」
涙が出そうになって、密かに鼻をすする。
まだ社長の気持ちも確認してないのに、それでもいいって思っちゃう自分が怖い。
だけどもし社長がわたしと同じ気持ちじゃないなら、きっともっと苦しむから。
はじめてだけじゃなくて。
身体だけじゃなくて、心まで全部。
全部、全部、社長が受け取ってくれないなら、この気持ちはいつかわたしを焦がしてしまうから。
「……なるほどね」
ずっと黙って聞いていた要さんが、ぽつりと呟いた。
「何をやってんだかな、あいつは。他のことは大抵何でも上手くこなすくせに、世話の焼けるやつだ」
要さんの言葉がするりと夜に溶け込んで、わたしたちは街灯が照らす道を並んで歩いた。
ときどき人とすれ違うと、要さんがわたしの姿を隠すように少し歩く位置をズラした。