それだけで、キセキ。
そう言いながらも私を抱きしめる腕は優しくて、大事なものを抱え込むように、すっぽりと腕の中に収めてくれる。

抱き枕になった私は、心地良くて目を閉じてしまう。

なんて幸せなひととき。



「ねぇ、さっきの海の話なんだけど、もしかして、また気にしてる?」

「......え?」

「オバさんだから、とか。」

「..........。」

「自分を卑下し過ぎ。智子はホントの年より若く見えるし、自分で思ってるよりキレイだよ。俺は誰に見せても恥ずかしくない、自慢の彼女だと思ってるんだけどな。」

「..........。」



こらえていた涙が、じわじわ滲み始める。

私だって、爽太のこととなると、すぐネガティブになっちゃう自分が嫌い。

なのに、そんな風に言ってくれるなんて、優し過ぎるよ.........



「逆にさ、俺だって気にしてるんだよ。ガキっぽいことして、智子に嫌われたらどうしようって。」

「そんなことないよ。」

「でしょ? お互い様じゃん。」

「..........。」
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