オレ様探偵とキケンな調査
───バタンッ


乱暴なドアの音にあたしはソファーから立ち上がり、帯金さんの表情を伺う。


「入らせてもらってました」


「入ってろっつった」


やっぱり不機嫌。


「何でソレ、まだ着てんの?」


「あたしの、血まみれで」


「脱げ」


「どうして、ですか?」


「小僧とはいえ、他の男のモン、身につけんな」


「でも、脱ぐと寒いし」


「そんなモン、すぐにオレがあっためてやるよ」


カーディガンを脱ぐと、帯金さんはあたしを抱いてベッドの上に降ろした。


あたしの上に帯金さんが乗る。


「キスとかマジ許せねぇ」


「でも、挨拶代わりなんでしょ?」


「時と場合と感情による」


「ソレ、あたしが前に言いました」


「いつにも増してうるせぇ口だな」


「だって…」


「何?」


「…言ってほしいんだもん」


「何を?」
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