オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


そんなウワサが、隣のクラスにも広まってるの……?


「離して……っ」


彼を睨みつけてそう言うと、その彼はにやりと笑って

今度は私を引っ張った。


ぎゅうっー


その瞬間、彼に抱きしめられる


嫌だ、怖い、体が震える。


「……っ」


声も出ない、怖いのに、思い出したくないのに

鮮明にそれはフラッシュバックされて


恐怖に包まれる。


「や、」


「どう?こういうのも無理なの?」


かすれた声しか出なかった。


呼吸が乱れてきて、もう無理だって思った時


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