愛が冷めないマグカップ
マツさんは、あっと思いついたように言った。
「あ、神様のじーさんらがいるじゃん!磐田さんと牛島のジジイと鳥谷さんなら、一人で3馬力の計算でいけるんじゃねえ?」
「…えっ!本当ですか?!!」
(あのお年寄りが一人で三人分?!そんなにもすごいの…?!)
「ほんとだよ。あの人たち、現役のころはもっと凄かったらしいぜ。磐田さんなんて、プレス機械やってた頃は、『早踏みのゲン』とか言われてたみたいだしな」
(…磐田さんの下の名前は源三だから、早踏みのゲン…かぁ。なるほど…)
「マツさん、ありがとうございます!わたし、磐田さんたちにお願いしてみます!」
「おう!俺も何人か声かけてみるわ!」
じゃあな!と言ってマツさんは走り去って行き、あゆみは駆け足で神様の部屋に向かった。
あと三時間で定時になる。そこからが本当のスタートだ。