はまきり




ユキはジャージのポケットから紫色のカードを取り出す。


「なんだそれ。」


「何って学生証ですよ。これは入寮式の時に説明があったと思いますけど。」


入寮式か、それどころじゃなくて全然説明なんて聞いてなかった。


「俺そんなカードもらってないぞ。」


「入寮テストで玉みたいなのもらいませんでした?」


入寮テストでもらった玉?


芦屋先輩から一人ずつ配られた透明なビー玉みたいなやつか。


ポケットに突っ込んだままだった。


「これか?」


俺はポケットから玉を取り出す。


「はい。それです。それ学生証の代わりなので肌身離さず持ってないとダメですよ。」


「わかった。…あれ、この玉こんな色だっけ?」


もらった時は透明だった気がするが、今は緑っぽくなっている。


…ま、いっか。


「その玉を身につけてさえいれば券売機のボタンを押すだけで買えるはずです。



ユキに言われた通り、券売機のボタンを押すと食券が出てきた。


「すごいな、ありがとう。」


「いえいえ。それじゃあその券とカレーを引換に行きましょう。隣のこの列に並ぶんですよ。」


ユキと列に並び、それぞれ食事を受け取ると、空いてる席を見つけて2人で座った。




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