ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

庭まで優しくエスコートしてくれて、意地悪なのか優しいのか、ハジがますます分からなくなった。

いつの間に頼んだのか、庭のテラスには紅茶と茶菓子が並んでいた。

いつの日かテトと飲んだ、ユべリアの香り。


「これ好きなんだって? ミーシャが言ってたよ」

「うん・・・好き・・・」

「この世界はどう?」

「え?」


ハジが唐突に質問してきた。


「君の瞳から見たこの世界がどんな風に映ってるのかなって・・・」

「綺麗。温かい。ずっといたい・・・あ!」


ユべリアに和み、素直に答えすぎたゆのはボロを出してしまった。

ここまでいろいろとオズに打ち明けられているハジならば、ゆのがいつか元の世界に帰ることも、元の世界に帰りたいということにしていることも、知っているに違いないーーー


「ずっとここにいたら?」


穏やかな声がゆのを包む。


「居たいならいればいいよ」


でも、そんな簡単なことじゃない。クレア王妃様が私を召喚したのは何か理由があるだろうし。オズやレヴァノンには、いつか元の世界に帰ると伝えている。私はオズの正室にとって邪魔な存在になってしまう。


ーーー問題だらけだ。

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