危険なアイツと同居生活
部屋の扉が近付く。
扉の隙間から、エレベーターで感じた香水の香りが零れる。
微かな違和感を感じながら玄関に入った時……
その違和感は、現実となった。
あたしの部屋なのに。
あたしだけの下宿なのに。
なのに、部屋の奥からなにやら低い声がする。
白いピカピカの玄関には、一足のスニーカー。
あたし、部屋を間違えたかな……
改めて表札を見るが、1001、それはあたしの鍵の番号と一致している。
だからここは、紛れもないあたしの部屋。
きっと、空き部屋だからと誰かが勝手に使っていたんだ。
それか、業者さんかもしれない。
意を決して靴を脱ぎ、あたしの下宿に上がった。