危険なアイツと同居生活
頭が真っ白になる。
あたしの頭、狂ってしまったかと思った。
人は本当の悲しみに出会った時、涙が出ないのかもしれない。
ただ茫然として。
「芽衣、行こっ!」
芽衣の腕を引くあたしの手を……
芽衣は振り払った。
……え!?
声を出す間もない。
それは、一瞬の出来事だった。
芽衣はすたすたと蒼と川藤ゆりに歩み寄り……
パシン……
乾いた音が鳴り響いた。
芽衣が何をしたのか分かるまで、数秒かかった。
蒼が頬を押さえ、目を丸くして芽衣を見ていたから。