危険なアイツと同居生活
スローなバラードに、間違っているのではないかというほど激しいギター。
そして、熱くしっとりと蒼の声が響く。
その声に狂うあたし。
甘くて切なくて、耳がとけて無くなってしまいそう。
まるで、蒼に身体中を舐められているような錯覚に陥る。
そして……
後ろのスクリーンに、画像が流れる。
激しい雨の中、演奏するメンバー。
新曲のMVだろう。
大粒の雫が碧の顔を濡らし、涙のように頬を流れた。
その鋭い瞳と切なげなメロディーに心を掴まれた。
そして、続いて流れた映像。
それにあたしは絶句した。