危険なアイツと同居生活
川藤ゆり。
その名前を聞くだけで、あたしの身体は硬直する。
言いようのない不安と劣等感が、あたしを襲う。
川藤ゆりが、なんでここに!?
「うわー。
やっぱり美人だし、スタイルいいなー」
辺りもざわざわする中、川藤ゆりは関係者専用入口に消えていった。
大きな花束を持って。
あたしの胸の中に、大きなヒビが入る。
目の前の景色が色を失う。
川藤ゆりと蒼が腕を組んで歩いている光景を思い出した。
蒼、やっぱり……
そんな時、あたしの携帯が振動する。
まさかと思って画面を見ると、碧からのメール。
『唯ちゃん、裏口に来れない?』
あたしの心臓が破裂するかと思った。