危険なアイツと同居生活







用事があると言って亜美と別れ、ホールの裏口へ向かう。

裏口はたくさんあるけど、ここでいいのかな?

ただ、どこにも『関係者以外立入禁止』との文字。

この辺りをうろついていても、いつかは警備員に見つかって追い返されそう。

だけど、蒼に会えるならと思ってじっと待つ。




その間にも、川藤ゆりの存在が頭に浮かぶ。



もしかして蒼、川藤ゆりと……



だめ。

優しい蒼は、あたしだけのもの!




不安を打ち切るように首を振った。








そんな時……




「あら、あなた……」




少し棘のある声が聞こえた。



振り返るとそこには……



川藤ゆりがいた。





すらっとした、カモシカのような美脚。

白い肌。

少し釣り上がった目は、あたしを睨むように見ていた。



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