危険なアイツと同居生活
「ど……同居って……」
この人は、同居の意味を分かっているのだろうか。
同居ってのは、生活を共にするってこと。
食事も、お風呂も、トイレでさえ。
しかも、男と女だよ?
何か一歩間違えば……
「決まりだね」
碧もどきはそう言って、ヨレヨレのTシャツを翻して立ち上がった。
碧と同じ顔をしているのに、碧よりもずっと庶民じみて見える。
あたしは、そんな碧もどきに釘付けになっていた。
あたしが、この人と、同居……?
こんなにかっこよくて、あたしの大好きな碧そっくりの人と……?
「君、名前は?」
「……唯」
「そうか、唯ちゃんか。
よろしくね」
碧もどきはにこりと笑って手を差し伸べた。
碧が決して見せないその笑顔に、あたしの胸の奥がきゅんと疼いた。