危険なアイツと同居生活
「じゃあね、唯ちゃん」
蒼はそう言ってあたしを見つめる。
「唯ちゃんの顔を見れたから、明日も頑張れそう」
その弾けるような笑顔に、くらっとなった。
蒼、それはあたしの台詞だよ。
蒼がいないと、この世界は色を失ってしまう。
通話が切れた電話を、ずっと握りしめていた。
ただの携帯なのに、何だか蒼みたいに温かく感じた。
離れても大丈夫。
蒼もあたしを想っていてくれるから。
あたしたちは、距離にも負けない。