危険なアイツと同居生活
「そいつは俺の女だ」
蒼の静かな声が聞こえた。
その声を聞いて、やっぱりあたしには蒼だと再確認する。
蒼の声を聞くだけで安心してホッとして。
蒼に抱きつきたい。
二人で楽しく笑いあいたいと思ってしまう。
「どうかな」
隆太は鼻で笑う。
普段のTODAYからは考えられないほどのどす黒いオーラが渦巻いている。
「僕さ、狙った女は百発百中なんだよね。
この女も僕の手に落ちるのは時間の問題」
蒼は黙ってあたしに近付く。
何だかその瞳が悲しそう。
「蒼……」
今すぐその胸に飛び込みたい。
蒼しかいないと伝えたい。
あたしには、TODAYなんてどうでもいい。
蒼がいいんだよ!
「へぇ……蒼って言うんだ」
隆太は意地悪く笑う。
「碧……いや、蒼君?
僕は君に宣戦布告するからね?
この子は俺がもらう」
「うるせぇ。唯は渡さねぇ」
唯!?
普段は言わないその呼び方にドキドキする。
その怒りのこもった視線すらあたしをかき乱す。
あぁ、あたしには蒼しかいない。
こんなにもおかしくて危ない気分にしてくれるのは、蒼しかいないよ。