危険なアイツと同居生活
「唯ちゃん、Fのファンだった」
俺が零すと、
「あ、そう」
何を今さらという態度を取る二人。
「唯ちゃんね、FのCDいつも買う。
初回限定版の特典付きを。
ポスターも隠し持ってるし、ライブも来ようとする。
ファンクラブにも入ってるって噂だよ」
「のろけかよ」
賢一が鼻で笑うから、
「ちがうっ!!」
俺は大声で叫んだ。
「俺さ、思うんだけど、
唯ちゃんが俺を好きになってくれたのは、俺がFだからじゃないかな?」
無言の二人。
黙ってジュースを飲んでいる。
「唯ちゃんさ……
TODAYのファンなんだよ」
「はぁ!?」
次に大声を出したのは賢一だった。
その横で、噴き出したように笑う慎吾。
もう、二人とも馬鹿にして!