危険なアイツと同居生活




だけど……




「どうして僕を責めない?

僕は、取り返しのつかないことをしてしまった」




それなのに、蒼君のリーダーも、蒼君の事務所も文句一つ言わない。




蒼君は僕を見てにっと笑う。

子供みたいなスマイルだった。




「仕方ないよ、隆太も悩んでたんだから」




どうして笑顔でそんなことを言えるの?




「唯ちゃんのこと、本気じゃなくて良かった」




その心配?




「お詫びならね……

チケット取ってよ」



「え?」



「TODAYのコンサートのチケット。

唯ちゃんと見に行くから!

唯ちゃん、ファンなんだよ」




そう言って笑う蒼君を見て、涙を必死にこらえた。





僕はなんて愚かだったんだろう。

こんなに穏やかで、こんなに優しい蒼君を傷つけたなんて。

蒼君は、やっぱり僕には手の届かない存在。

僕、蒼君に負けないように頑張るから。

そして、次は正々堂々と勝ってみせる。





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