危険なアイツと同居生活
そして……
「これにて入学式を終了いたします」
その言葉を合図に、一斉にホールから出て行く新入生。
あたしもその波に流されて外へと出る。
この後、学部のオリエンテーションがあるんだな。
文学部の校舎へと向かおうとした時……
「碧だって!」
「見に行こう!!」
女の子たちの黄色い声が聞こえた。
再びあたしの胸がざわざわする。
ぎゅって絞られて、悲鳴を上げる。
みんなに見られて愛される、それが蒼の仕事なのに、蒼を独り占めしたいだなんて思う。
あたしは蒼の彼女でも何でもないのに。