危険なアイツと同居生活
それでもつられて蒼の方に向かってしまうあたし。
すれ違う人はみんなハートの目をして、
「碧、カッコ良かった」
なんて言っている。
あたしは普通の一般人。
そんな平凡なあたしが、人気者の蒼と同居しなんて、夢ではないかと疑ってしまう。
今さらだけど……
だけど、人ごみの向こうに明るい茶色の髪が見えて……
それがゆっくり近付いて……
「蒼!」
そう呼びたいのに、呼ぶことすら出来ない。
身体がガクガク震えて、胸がぎゅっと苦しくなる。