危険なアイツと同居生活
蒼、また悪い冗談でも言っているのかと思った。
だけど、蒼はどれだけ待っても冗談と言ってくれない。
ただ、にこにこと笑いながら前方を見ていた。
「あ……あのさ……ファンとして言っていい?」
あたしの声は震えている。蒼はうんと頷く。
「FのMVに……あたしみたいな質の低い女が出てもいいわけ?」
そうだよ。
あれだけ独特の世界観を持つFのMVに、このあたし!?
あたしは色気もないし、美人タイプでもないし、スタイルだって良くないし……
「蒼が選んだんだから間違いないんじゃねぇ?
……AV女優サン?」
優弥さんにからかうように言われ、あたしは何も言えなくなった。
蒼も優弥さんも、あたしに期待しないで!!
素人のあたしには出来ないことくらい、分かっているでしょ!?
これは、新種のいじめ?
檻に入れられた獣の気分のあたしは、ゆっくりと地獄のスタジオへと運ばれていった……。