ずっと前から君が好き
~銀side~
「よし...!!」
俺の隣で、優也がなにやら気合を入れていた。
まぁ、"何に"かは...わかるけど。(笑)
優也から目を離して、蒼を見てみると、蒼の目線は心配そうに優也を見ていた。
まったく蒼は...。本人の前ではあんなにカッコいいこと言うくせに、いざとなると心配性なんだよな~。
そんなことを考えながら、俺は蒼が気付くような咳払いをした。
「....っ?」
お、気付いた気付いた♪
俺はニヤッと笑って、手を何度か曲げて蒼をそばに呼んだ。
「...なんだよ?銀。」
「蒼さ、分かりやす過ぎ。心配するなら、あんなこと言わなきゃいいのに~。」
優也に聞こえない声で小さく言っていたはずなのに、蒼がいきなり大きな声を出した。
「しょうがないだろっ!!確かに言ったけど、ああでも言わなきゃ優也だって不安になるだろうがっ!!....あ。」
「蒼太...?」
「あーあ、聞こえちゃった。蒼が大きな声出すからだよ~?」
責めるように言ってみせる俺と、言い返してくる蒼の間を、優也が割って入ってきた。
「ちょちょ...ちょっと!どういう事!?」
焦りながら聞いてくる優也に、俺は蒼を指さしながら口を開いた。
「えっとね、蒼が優也のことが心配なんだって!」
「お、おいっ!?ち、ちがうぞ?ただ...えっと、その..な?」
蒼が慌てて言い訳を言っていると、優也が笑顔で言った。
「...ありがとな、蒼太。」
「えっ!?あ、あぁ。」
蒼は、顔を真っ赤にして顔を俯かせながらそう言い、俺はその後ろで笑っていた。
「銀もありがとう。」
「はっ!?お、俺も!?」
まさか自分に来るとは思っていなかったから、俺らしくない返事をしてしまった。
優也はニッコリ笑って言った。
「俺...ホント、二人に会えてよかったよ。ありがとう。」
「ばーか!俺らもだよ!」
「俺も、ありがとね!!」
俺も蒼も、恥ずかしさを隠すために、少し大きな声で返事をした。
優也はホンット、こういう恥ずかしいことをさらっと言うんだからなぁ...。
やめてほしいよ。....でも、嫌ではないけどね♪
俺は、優也の笑顔を見ながら、そんなことを思っていた。