恋色花火


「あれ、レンメイクしてる? 珍しい」


「ん、ちょっとね」



そしてやっぱりこいつは気づいたか。


少し気恥ずかしくなる。



「じゃ、お邪魔しまーす。
 あ、今年は私ちゃんとアイロン持参だから!」


「そう、よかった。
 アイロン一個じゃ二人分なんてとてもじゃないけど時間足りないからね」



それも去年の話だ。


アイロン無しじゃ髪は作れないから、ずいぶん時間をロスした記憶がある。



「とりあえず浴衣着ようよ」


あたしの返事なんて聞く気がない、その証拠に浴衣を紙袋から引っ張り出しながらナミが言った。



「ハイハイ」


あたしもクローゼットから浴衣を取り出す。

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