恋色花火


口調とは裏腹に、いっつもあたしの心配ばっかりしてるナミ。


それは分かってるし、あたしのためを思って言ってくれてることなんだけど……告白は、しない。



もうこれ以上、惨めになりたくない。



……そうやって諦めることが、一番惨めなことだって知ってるけど。


だけど……表面だけでも、カッコつけていたいんだ。




「……ま、レンの好きにしなよ。
 あたしはただ……行動パターンのひとつを言っただけ」



ナミがすっと髪に飾りを差し入れる。


お祭りが始まる合図の花火が打ちあがり、そして準備も整った。



「それじゃあ、行こうか」



夏はこれから。


長い長い、そしてあっという間な夜が始まる。

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