恋色花火



「ち、ちょっと待ってユウヤ!
 行ってくれるのはありがたいけど、お金……!」


「え? いいよ、たかが百数円」



大事なことを思い出し引き止めるも、へらへらと笑って済ませてしまう。




「たまには俺にもかっこいい事させろっつーの」




そう言って、今度こそ人ごみに紛れていってしまった。


一人になったあたしは、ため息をついて電柱にもたれる。




「……たまに、じゃないからこっちは困ってるんじゃん…………」



もう少し自分のかっこよさを自覚してもらわないと……困る。



「……早く花火上がらないかなー……」



あたしの顔の赤さを隠せるように。


……これ以上ユウヤを好きにならないように。



< 40 / 57 >

この作品をシェア

pagetop